とびら)” の例文
今しもそこに悄然しょうぜんと涙を呑んで黙祷もくとうしていたらしい一団は私がとびらをはいると同時に涙の筋をひいた顔を挙げて目礼したが
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
(公子のさしずにより、姿見に錦のおおいを掛け、とびらる。)
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてそのままつかつかと足速に扉の方に近付いて私の方も振り向かれずにそのままとびらを排してしまわれた。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
侍女三人ずつ、一方はとびらのうちへ。一方は廻廊に退場。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
森閑ひっそりしているようですけれどどこに耳が付いていないにも限りません。用心しましょう」とシャアが私の耳許でささやいた。その途端に、コトリコトリと廊下に、跫音がして、とびらが静かに開かれた。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)