くつわ)” の例文
紺地金泥の法華経とおい。源義家神馬のくつわ。新田義貞奉納鎧。諏訪法性のかぶとなどは取り分け大切の宝物であった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
北のかたなる試合果てて、行けるものは皆やかたに帰れるを、ランスロットのみは影さえ見えず。帰れかしと念ずる人の便たよりは絶えて、思わぬもののくつわを連ねてカメロットに入るは、見るも益なし。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かく漆桶しっとうを抜くがごとく自転悟を開きたる余は今例の監督官及びその友なる貴公子某伯爵と共にくつわつらねて「クラパムコンモン」を横ぎり鉄道馬車の通う大通りへ曲らんとするところだと思いたまえ
自転車日記 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)