鎮魂タマフリ)” の例文
鎮魂を行ふ方便として、禽獣を狩猟してその保管する魂をムカへるからの名であり又、楽器を奏することによつて、完全に鎮魂タマフリの効果をあげようとするからの名である。
此冬祭りの日に、彼等は里へ降つて、鎮魂タマフリをしました。山姥が、山姥の舞を舞ひ、山人が、山の神に扮して舞うたのです。其ニハがいちと言はれました。「市」の古義です。
さうして其霊魂は、肉体を発育させる——さう言ふ風な信仰が、更に鎮魂タマフリの技術を発達させることになつたのである。だから、産霊ムスビは信仰で、鎮魂は呪術といふことになる。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
死人・け人の為には游離魂を身中にとり込めて、甦生する鎮魂タマフリの本縁なる天窟戸いはとの詞章、家屋の精霊なる火の来歴と其弱点とを指摘して、其災ひせぬ事を誓はせる火生みの詞章、——此等が