錆鉄さびてつ)” の例文
漆黒しっこくの夜空の下に、巨大な建物が、黙々もくもくとして、立ち並んでいた。えくさい錆鉄さびてつの匂いが、プーンと鼻を刺戟した。いつとはなしに、一行は、ぴったりと寄り添い、足音を忍ばせて歩いていた。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)