鋩子先ぼうしさき)” の例文
彼は瞳を凝らして三頭みつがしらから鋩子先ぼうしさき、物打ち、かさね、まちと上下に見直してみたが、見れば見るほど、青江、それも為次ためつぐどころの比較的あたらしい作とし観じられない。
寛永相合傘 (新字新仮名) / 林不忘(著)
鍔元つばもとから鋩子先ぼうしさきと何度もうら表を返して眺めているうちに、名匠の鍛えた豪胆不撓ごうたんふとうの刀魂が見る見る自分に乗り移ってくるようにおぼえて、かれは眼をあげて窓のそとを見た。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
再び鋩子先ぼうしさきがふれたかと思うと、またもや同時に飛びすさって身を構える……同じことを繰り返して、春日遅々、外見はまことに長閑のどかなようだが命のやりとりをしている左膳、栄三郎の身になれば
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
燭台しょくだい鋩子先ぼうしさきに、チララチララと花の様に咲いて……。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)