鉄梯子タラップ)” の例文
その小刀を逆手に持って為吉は奥炭庫クロス・バンカアの前の鉄梯子タラップに腰を掛けながら、白痴のようににたにたと笑った。彼は明らかに海の呼声を聞いたのである。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
一方、機関助手の杉本は、ゴールデン・バットに炉口プアネスの火を点けてそいつを横ッちょにくわえると、油差を片手に鼻唄を唄いながら鉄梯子タラップを降りて行ったんです。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
わしはそういうなり、壁際へ進んで、クレーンにのぼる冷い鉄梯子タラップへ、手をかけた。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わし達は、また困難な鉄梯子タラップを、永い時間かかって、一段一段と、下りて行った。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)