野中兼山のなかけんざん)” の例文
土佐の藩儒野中兼山のなかけんざんは宋儒を尊崇して同藩に宋学を起した人であるが、もっぱら実行を主とした学者であって、立言の儒者ではなかった。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
「千羽に一羽の毒がある」と云ってこの鳥の捕獲をいましめた野中兼山のなかけんざんの機智の話を想い出す。
郷土的味覚 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
海岸線が欠けたかまの形をした土佐の東南端、俗にお鼻の名で呼ばれている室戸岬むろとみさきから半里の西の室戸に、古い港があって、寛文かんぶん年間、土佐の経世家として知られている野中兼山のなかけんざんが開修したが
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
野中兼山のなかけんざんが「椋鳥むくどりには千羽に一羽の毒がある」と教えたことを数年前にかいた随筆中に引用しておいたら、近ごろその出典について日本橋区にほんばしくのある女学校の先生から問い合わせの手紙が来た。
藤棚の陰から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
野中兼山のなかけんざんの土木工学者としての逸話を二つだけ記憶している。
藤棚の陰から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)