釈迦像しゃかぞう)” の例文
彼女は香をあげて坐り、合掌しながら厨子ずしの中の仏像を見あげた。それは天平時代の作だといわれる五寸あまりの金銅の釈迦像しゃかぞうで、この家にふるくから伝わり代だい主婦の持仏になっている。
日本婦道記:藪の蔭 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その中に金銅の釈迦像しゃかぞうがあり、千年もまえのなにがしとかいう高名な仏師の作で、日本じゅうに幾躰しかない貴重なものだという。賊が無知で、もし鋳つぶしでもされては取り返しがつかない。