道化者どうけもの)” の例文
がんらい、道化者どうけもののきつねは、いつしか、ているうちに、自分じぶんまでうかれごこちになって、みょうなこしつきをしておどりだしたのでした。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
パリーは君臨する。天才はそこに燃え出し、赤リボンの道化者どうけものはそこに栄える。アドナイは雷と電光との十二の車輪をそなえた車に乗ってパリーを過ぎる。
「まったく、うめいや、てめいの作り声だの素振りだのは、どう見たって、ほんものの小役人だ。おかしくって、おかしくって、あぶなく、ふき出すところだったぞ、この道化者どうけものめ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ぼく、すっかり、わすれていた。サーカスには、よく一寸法師の道化者どうけものがいるね。あのサーカスにも、一寸法師がいるんじゃないかしら。だからさ、ぼくらが、おっかけたやつは、あのサーカスの団員じゃないだろうか。」
灰色の巨人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)