進退谷しんたいきわ)” の例文
実は、ここへ来て、会わせる顔もないのだが、仮面めんかぶったような気持で、しきいまたいで来た。世の中に、義理ほど辛いものはないというが、俺は、進退谷しんたいきわまった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地底へ下りれば、敵の地底兵団あり、地上へ出れば、敵の空中兵団あり、上と下とからの抱合サンドイッチ兵団の攻撃にあっては、われわれはのぼりもくだりも出来ず、文字どおり進退谷しんたいきわまってしまった次第である。