逆浪さからいなみ)” の例文
いままで東北から吹いていた風が反対の西北に変ったので、波の余勢が風にあおられて山のような逆浪さからいなみが立ち、海面いちめん煮釜が湯玉をあげるように沸きたつなかを船が後へ後へと戻りはじめた。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)