追駈おつか)” の例文
何方どつちが性悪なんでせう、もしか仰有る通り、貴方が私にお惚れなすつたのだつたら、あの女のかた追駈おつかけはなさらなかつた筈ぢやなくつて。」
翌日あくるひ、私が一人裏伝ひの畑の中の路を歩いてると、お和歌さんが息をきらして追駈おつかけて来て、五本だつたか十本だつたか、黒羊※をどつさり呉れて行つた事がある。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それは美人どころか、鼻のひしやげたいぬのやうな顔をした女だつた。男はぶつくさとぼやきながら、先刻さつきの婦人を追駈おつかけた。