追立おったて)” の例文
「さあさあ、追立おったてを食わないうちに、君子は庖廚ほうちゅうを遠ざかろう。お客様はそちらへ——ちょっとぼくは、ここの仏間というのへ御挨拶。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
逢坂山おうさかやまの関へかかると、追立おったての役人たちは、役目をすまして、引返した。都からついて来た多くの人々も、思い思い別れの言葉を残して戻ってゆく。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いろんなけわしい処を通って来たであろう——普通の人のあゆめぬ処へ来た時に——何うしても足の踏み出せない処へ来た時に三人の悪者が無理にこの男を引摺ひきずって後方から追立おったて
捕われ人 (新字新仮名) / 小川未明(著)