辟支仏へきしぶつ)” の例文
寂心は世を哀み、世は寂心の如き人を懐かしんでいた。寂心娑婆帰来のはなしの伝わった所以ゆえんでもあろう。勿論寂心は辟支仏へきしぶつでは無かったのである。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
爾時そのとき辟支仏へきしぶつあって城下に来りしを、かの五百牧牛人うしかい供養発願して、その善根を以てたとい彼女身死するとも残金五百銭を与えて、約のごとく彼と交通せんと願懸がんかけした。