身長なり)” の例文
「まあ、どうかしませう。——身長なりばかり大きくつて馬鹿だから実に弱る。あれで団子坂の菊人形が見たいから、連れてけなんて云ふんだから」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
元気のいい、身長なりよりも大きな声で、いつも廻って来る居酒屋の小僧が、怒鳴っていた。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私の父兼松は生粋きっすいの江戸ッ児で、身長なりこそは小さいが、火事なぞに掛けては、それはハシッコイ人物、……我子を両手に抱いたうれしさに勇気も百倍し、それから人波を押し割って元の道に引ッ返し
「まあ、どうかしましょう。——身長なりばかり大きくってばかだからじつに弱る。あれで団子坂の菊人形が見たいから、連れていけなんて言うんだから」
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
着物はゆうべのとは違って、お仕着せらしいのを着かえているが、もちろん腰も半分、袖も半分、帯には身長なりより長い木刀を横たえ、背には、からかさほどもある大きな笠を背負いこんでいる。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
身長なりは小さくつても喧嘩の本場で修業を積んだにいさんだと無茶苦茶に張り飛ばしたり、張り飛ばされたりして居ると、やがて巡査だ巡査だ逃げろ/\と云ふ声がした。
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
身長なりは小さくっても喧嘩の本場で修行を積んだ兄さんだと無茶苦茶に張り飛ばしたり、張り飛ばされたりしていると、やがて巡査だ巡査だ逃げろ逃げろと云う声がした。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)