越前落えちぜんお)” の例文
「そうだ、そうだ」とばかり、あとからつづく人数のなかにまぎれこみ、まんまと、八風斎の目をくらまして越前落えちぜんおちのとちゅうから、もとの裾野すそのへ逃げてもどってしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鼻かけ卜斎ぼくさい越前落えちぜんおちに、とちゅうまでひっぱられていった蛾次郎がじろうが、木隠龍太郎こがくれりゅうたろう行軍こうぐんのなかにまぎれこんで、うまうま逃げてしまったのは、けだし、蛾次郎近来の大出来おおできだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)