財産かね)” の例文
手前は此方こっち生立おいたって何も世間の事は知らねえが、うち財産かねは無くとも、旅籠という看板で是だけの構えをしているから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
養女をば若干なにがし財産かねを付けて実家へ返へして仕舞つた。うちは親父の病気を頼みきりにした医師への礼にやつて仕舞つた。かくて翁は全く家を外の人になり終つた。
大野人 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
智慧が有るとか財産かねが有るとか、官員に成っても勅任ちょくにんにでもなれる人には惚れてもいが、只顔の綺麗なのを見て浮気な岡惚おかぼれをするのは、今開化の世の中には智慧のない話でございますが