讐仇かたき)” の例文
千辛万苦致しました末、ようようの思いで当地に立越えてみますれば……狙う讐仇かたきの一柳斎は……貴方様の御師匠さま……
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
何か仔細がある事と思うたけに咄嗟とっさに身を引きながら、如何にも身共は黒田藩の浅川一柳斎に相違ないが、何か拙者を讐仇かたきと呼ばれる仔細が御座るか。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「……オ……俺は、お前を一人前に育て上げてから、両親の讐仇かたきを討たせようと思って、そればっかりを楽しみの一本槍にして、今日まで生きて来たんだ」
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「……ヒ……卑怯者ッ。その讐仇かたきを討つのに……邪魔に……邪魔になるのは貴方一人……」
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
朝鮮人に化けていたら一所に居ても大丈夫でしょう。親父おやじと同様に使って下さい。ドンナ事でも致しますから親父の讐仇かたきを討たして下さい……という涙ながらの物語りだ。どうだい。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ハハア……成る程……それはそうかも知れませんな。……しかしそれにしても妙ですナ。品夫さんのお父さんは二十年も前にお亡くなりになったので、顔もよく御存じ無い筈なのに、どうしてそのお父さんの讐仇かたきの顔を
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)