譬喩的ひゆてき)” の例文
さればこそこの譬喩的ひゆてきの吟ありたるなれ。この句は品の善き句にあらねども滑稽と軽妙とを以てまさりたるものにして容易に模倣し得べきに非ず。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
この「頭が柔らかくなる」というのはもちろん譬喩的ひゆてきの言葉であるには相違ないが、しかしその言った先生の意味が正確にどういう内容のものであったか
映画と生理 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
全体が言うに言われぬ妙な風下傾斜リー・ラーチをなしていて、それが二人の水夫の心に荒れ模様の時の長い航海を思わせ、そして二人をしてただちに、レッグズ自身の譬喩的ひゆてきの言葉を借りて言えば
手首の問題についての自分の経験はまずこれだけであるが、よく考えてみると、この手首の問題を思い出させるような譬喩的ひゆてきな手首の問題がいろいろあることに気がつく。
「手首」の問題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
三四四頁には尻尾しっぽのある人間の事が出ている。犬の尻尾くらいの大きさだが毛が生えていないとある。譬喩的ひゆてきには今でも大概の人間がみんな尻尾をぶら下げて歩いている。これは誰も知る通りである。
マルコポロから (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)