謬見びうけん)” の例文
鴎外、山口の二学士が小説に罪過説を応用すべからずと云ふは、横から見るも縦から見るも解すべからざる謬見びうけんと謂はざるを得ず。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
三十一文字と定め十七文字と定めし事もと是れ人間が勝手につくりし掟なればそれに外れたりとて常に用うべきにあらずとは笑ふべき謬見びうけんなり。
字余りの和歌俳句 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
同志と称する者がかう云ふ間違つた見方をした丈であるならまだよかつたが、政治家の多数が亦観察を誤つた。そして謬見びうけんを抱いて社会の継子ままことなつた人人に対して、謬見を抱いた政治が施された。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
元禄びとには元禄びとの調べがあり、大正びとには大正びとの調べがあると言ふのは必しも謬見びうけんと称し難い。しかしその調べと云ふ意味を十七音か否かに限るのは所謂いはゆる新傾向の作家たちの謬見である。
発句私見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
同志と稱する者がかう云ふ間違つた見方をしただけであるならまだよかつたが、政治家の多數が亦觀察を誤つた。そして謬見びうけんを抱いて社會の繼子まゝことなつた人々に對して、謬見を抱いた政治が施された。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)