読人よみびと)” の例文
『夫木集抄』三十、読人よみびと知らず「いとねたし泳の宮の池にすむ鯉故人に欺かれぬる」とはこれを詠んだのじゃ。
ちなみに云うが、前掲の平中の「物をこそ」の歌は、古今集には読人よみびとしらずとして載っており、「物をこそいはねの松の」が「思ひ出づるときはの山の」となっている。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「とりべ山谷に煙のもえ立たばはかなく見えし我と知らなむ」——少女が日頃手習をしていた姫君の美しい手跡にそんな読人よみびとしらずの歌なんぞのあったのが、いまさら思い出されて
姨捨 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
読人よみびとは」