覚醒めざ)” の例文
旧字:覺醒
北海道にも、足尾にも、別子にも、長崎にも僕たちの思想おもいは煙のように忍び込んで、労働者も非常な勢いで覚醒めざめて来た
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
稚児サン騒ぎなぞ噯気おくびにも出さなくなった今に至って私一人は俄然がぜんとして稚児サンのよさに覚醒めざめ、どうやら朝起きても私の眼前には昨日以来の太子の
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
其処に映ずる凡ての物象は溌溂たる生気に覚醒めざむる。そして凡てがある深い生命の世界から覗く眼となるのだ。堅い表皮が破れ輪廓が壊れて、魂が表わにじっと眼を見張っている。
蠱惑 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
と頼春は覚醒めざめたように叫んだ。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうして利慾に覚醒めざめて来た。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)