くつたび)” の例文
舟には女が一人の婢をれて坐っていた。女は笑いながら柳を迎えた。みどりくつたびあかくつ、洞庭の舟の中で見た侍女の妝飾そうしょくとすこしも違わない女であった。
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
開けてみると女のくれた新しい衣服、くつくつたびなど入っていた。黒い衣服もその中に入れてあった。またぬいとりをした袋を腰のあたりに結えてあったが、それには金が一ぱい充ちていた。
竹青 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すると一人の侍女が来て、柳のほおの近くに立った。それはみどりくつたびに紫の色絹を着て、細い指のようなくつ穿いていた。柳はひどく気に入ったので、そっと口を持っていってその襪をんだ。
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)