“褊狭”の読み方と例文
読み方割合
へんきょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
されども歌人皆頑陋がんろう褊狭へんきょうにして古習を破るあたわず、古人の用いきたりし普通の材料題目の中にてやや変化を試みしのみ。
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
それだけならばまだかったが、徳は兄には似ないで、かえって父栄玄の褊狭へんきょうな気質を受け継いでいた。そしてこれが抽斎にアンチパチイを起させた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
久しく薗八一中節そのはちいっちゅうぶしの如き古曲をのみ喜び聴いていたわたしは、褊狭へんきょうなる自家の旧趣味を棄てておくせながら時代の新俚謡しんりように耳を傾けようと思ったのである。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)