裾風すそかぜ)” の例文
しとやかなうちに機轉がきいて、狹い部屋に押し並んだ男客の間を通り乍ら、裾風すそかぜ一つ立てないたしなみです。
八五郎がどんなにでつかい鼻をクンクンさせたところで、裾風すそかぜ一つ立てるやうな不たしなみな立居はしません。
白粉燒けのした、蒼黒い細面、口紅は少し濃く、長い眉、物を言ふのに唇を曲げるのは嫌味ですが、歩くと芳芬はうふんとして裾風すそかぜが匂ふのです。踊の師匠の一つのたしなみでせう。