衣類もの)” の例文
全く御召物は奥様の御身の内と言ってもよいのですから。私も御側へ寄添いまして見せて頂きました。どれを拝見しても目うつりのする衣類ものばかり。就中わけても、私の気に入りましたのは長襦袢です。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
たまに我輩が何か言はうものなら、私は斯様こんな裸体はだかで嫁に来やしなかつたなんて、其を言はれると一言いちごんも無い。実際、彼奴あいつが持つて来た衣類ものは、皆な我輩が飲んで了つたのだから——はゝゝゝゝ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)