衝立ついた)” の例文
衝立ついたての後から、その途端に、腰もしっかり定まらない一人のいどれが、扮装ふんそうしてひょろりと起って来た。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
叔父は西側の窓に近い卓子テーブルの前に坐って何かしら眼を閉じて考え込んでいるようでしたから、妾たちはその隣のへや衝立ついたての蔭に坐って様子を見ておりますと叔父も何かしら二皿か三皿あつらえて
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
森ふかし対ひ衝立ついた石獣せきじうの影多くして音無かりけり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)