薄暗うすぐろ)” の例文
重太郎は燐寸まっちっていた。有合ありあう枯枝や落葉を積んで、手早く燐寸の火を摺付すりつけると、溌々ぱちぱち云う音と共に、薄暗うすぐろい煙が渦巻いてあがった。つづいて紅い火焔ほのおがひらひら動いた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)