蒲生がまふ)” の例文
思案橋を渡つて、瓦町かはらまちを西へ進む坂本の跡には、本多、蒲生がまふの外、同心山崎弥四郎、糟谷助蔵かすやすけざう等が切れ/″\に続いた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
手配てくばりが済んで、坂本は役宅やくたくに帰つた。そして火事装束くわじしやうぞく草鞋掛わらぢがけで、十文目筒じふもんめづゝを持つて土橋どばしへ出向いた。蒲生がまふと同心三十人とは揃つてゐた。本多はまだ来てゐない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
坂本はそれまでの事には及ばぬと思ひ、又指図の区々まち/\なのを不平に思つたが、それでも馬一頭を借りて蒲生がまふを乗せて、大筒を取り寄せさせに、玉造口定番所ぢやうばんしよへ遣つた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)