葛屋くずや)” の例文
葛屋くずや」は『言海』を見ると、「くさや、かややニ同ジ」とあって、茅屋の字が宛ててある。葛という字に格別の意味はないのであろう。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
中食ちゅうじき又左またざの浪宅にてしたためる。わしは葛屋くずやへ立寄って、饅頭まんじゅうあつらえて後より気まかせに参るゆえ、そちたちは、人見又左ひとみまたざの宅で待ちあわしておれ
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平常ふだん、暇があれば、あの葛屋くずやという菓子舗かしみせへ行き、薪を割り、箒を持ち、水汲みの手伝いなどまでしておるそうですから、それをご隠居さまがお好きなことなど
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老公は、身がるに立つと、西山荘へもちと遊びに来い、などといって、葛屋くずやの店から出て行った。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)