落着らくぢゃく)” の例文
それで犯人は一も二もなく恐れ入って、裁判はすぐに落着らくぢゃくしたので、丁はそれを上官の姚忠粛に報告すると、姚もまたすこし考えていた。
今も云う通り、寺社方からのお指図が出て、三日の猶予で落着らくぢゃくしたのはきのうの夕方だと云うじゃあねえか。世間ではまだ知る筈がねえ。
半七捕物帳:65 夜叉神堂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「これで此の一件も落着らくぢゃくしました」と、半七老人はひと息ついた。「こう訳が判ってみると、誰が科人とがにんというのでもありません。 ...
半七捕物帳:30 あま酒売 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
浅井の一件が落着らくぢゃく次第、当然焼き捨てらるべき船のなかで、更に第二の悲劇が演ぜられたのは、いわゆる呪いの船とでも云うべきであろうか。
弟が上訴しなければ、その妻の陰事いんじは摘発されなかったであろう。妻の陰事が露顕しなければ、この裁判はいつまでも落着らくぢゃくしなかったであろう。
大事の証拠物だから、この一件の落着らくぢゃくするまでは、めったに手を着けさせることは出来ねえ。どうせ縁起の悪い船だ。
その背後に何者かが糸を引いているものと係りの役人はにらんだが、彼はあくまでも強情を張り通しているので、その裁判はすぐに落着らくぢゃくしなかった。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何分にも本人自身の書置きがあって、豪家の無罪は証明されているのであるから、役人たちもどうすることも出来ないで、この一件は無事に落着らくぢゃくした。
会津の方から相原医師の親戚が出て来て、ともかくもこの事件の落着らくぢゃくするまでは相原家を預かっていることになって、与助もやはり一緒に暮らしていました。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
九月の中頃にその裁判が落着らくぢゃくして、女中のお咲は遠島、女房のお菊は死罪という恐ろしい申し渡しを受けたので、当の山城屋は勿論、世間ではびっくりした。
これでこの一件も落着らくぢゃくした。人間の幸不幸は実にわからない。幸いにいぶし殺されるのを免かれた甚太郎と権十とは一旦入牢の上で、やがて死刑に行なわれた。
半七捕物帳:24 小女郎狐 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
盗んだ品が箪笥たんす長持や夜具蒲団ふとんのたぐいでなく、なにしろ熊の死骸というのですから、罪も大変に軽くなって、たしか追放ぐらいで落着らくぢゃくしたように聞いています
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
団子坂で外国人らの馬をぬすんだ一件は、馬丁平吉の召し捕りによってひと先ず落着らくぢゃくしたが、その関係者の一人たる蟹のお角は早くも姿をくらまして、ゆくえ不明となった。
半七捕物帳:59 蟹のお角 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
結局今夜のその客はほかの花魁へ振り替えて、綾衣のところへは送らないということで落着らくぢゃくした。たとい初会の客にせよ、こうしたごたごたで、綾衣は今夜一人の客を失ってしまった。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
遠島といえば、高源寺の住職も遠島、他は追放、これでこの一件も落着らくぢゃくしました。
半七捕物帳:66 地蔵は踊る (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
人殺しですから、当然死罪になりそうなものでしたが、遠島で落着らくぢゃくしました。
半七捕物帳:58 菊人形の昔 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その吟味は容易に落着らくぢゃくしなかった。
真鬼偽鬼 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「その落着らくぢゃくはどうなりました」
半七捕物帳:25 狐と僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これでこの一件は落着らくぢゃくした。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この一件は落着らくぢゃくしました。
半七捕物帳:26 女行者 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)