茶碗酒ちゃわんざけ)” の例文
飯たき久七が茶碗酒ちゃわんざけをあおって、なみだ鼻汁はなをいっしょにこすり上げているさわぎ。いやもう、裏もおもてもたいそうなにぎやかさ。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いまにお前たちだって、どんな事になるかわかったものじゃない。一生引受けたは笑わせやがる。でもまあ昔の馴染甲斐なじみがいに江戸の茶碗酒ちゃわんざけでも一ぱい振舞ってやろうか。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
つきもない小唄こうたを口ずさんで見たが一向に気持が浮き立たず、やがて、三十九歳の蕾を相手に、がぶがぶ茶碗酒ちゃわんざけをあおっても、ただ両人まじめになるばかりで、顔を見合せては溜息ためいきをつき
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)