茣座ござ)” の例文
顔馴染かおなじみの女中さんは、ニコニコしてなるたけ涼しいところへ座らせようと、茣座ござの座ぶとんを持ってウロウロした。
上はほんの二た坪ほどの簾子張すのこばりですが、夏はこゝで茣座ござを敷いて凉みも出來、兩國の川開きには、こゝへ一銚子持ち込んで、遠い花火を眺められないこともありません。
大きな囲炉裏、自在鉤、焚火たきびがドカドカ燃えていて、茶釜がシンシンと煮えている。板敷きに円座が二三枚、奥にも部屋があると見えて、仕切りに茣座ござがつるしてある。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)