英彦山ひこさん)” の例文
降りることわずかばかり、十軒ほどの家が谿間に固く寄り沿うて集まる。そこが目指す皿山である。それは人も知るあの英彦山ひこさんの近くである。
日田の皿山 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
彼方かなたに隠れ、此方こなたに現はれ、昼ね、夜起きて、抜けつ潜りつ日を重ね行くうちに、いつしか思ひの外なる日田ひたの天領に紛れ入りしかば、よきついでなれと英彦山ひこさんに紛れ入り
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
不便な所で荷を車で出す道さえありません。福岡県と大分県との境にある有名な英彦山ひこさんにはほど遠くない所であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
程近い英彦山ひこさん参りや、新四国参りの巡礼以外には探しても見当らなくなってしまった。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)