苦衷くちゆう)” の例文
その苦衷くちゆうを訴へるやうに打明けた孤独な心持も分るやうな気がして、何かそれに酬いるやうなことを言ひたかつたが、何も言ふ言葉を知らなかつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)