自動オート)” の例文
彼は一言そう云ってヒラリと車にまたがると、素早くクラッチを踏んだ。自動オート三輪車は大きく揺れると、弾かれたように路地から走りだした。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それはオートバイと思いのほか自動オート三輪車であった。それは大阪方面の或る味噌屋みそやの配達用三輪車であって、車の上には小さな樽がまだ四つ五つものっていた。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さっき二人が乗り捨ててきた自動オート三輪車のそばに、一人の怪人が立っていて、こっちをジッと見下ろしているのであった。彼は丈の長い真黒な吊鐘つりがねマントでもって、肩から下をスポリと包んでいた。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)