れん)” の例文
張良鉄椎てっついの時の面目を想見るべし。僕去月二十五日より一れんの肉一滴の酒をべず。これでさい気魄を増す事大なり。僕すでに諸友と絶ち、諸友また僕と絶つ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
復讎ふくしゅう、復讎、世に心よきはにくしと思う人の血をすすって、そのほおの一れんに舌鼓うつ時の感なるべし。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
我を醉はしむるに足らざるも人に其のあぢはひを分ち、半鼎の肉、我を飽かしむるに足らざるも人に其のれんを薦むる、是の如き分福の擧動は、實に人の餓狗たらず、貪狼たらざるところを現はすのであつて
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)