臀込しりご)” の例文
遠い所に置いてあったものが急に眼の前へ迫った感じで、励まされるよりは怯気おじけがついて、臀込しりごみするようになるのであった。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ああ云う場合についドギマギして臀込しりごみしてしまうのであるが、それだけ純なところもあること、等々を橋寺に伝えて貰う、と云うようにでもしたらば
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
べそを掻いて臀込しりごみをしながら、何の彼のと泣き言を並べて暫く皆をてこずらせたが、実はそれが常套じょうとう手段で、いつもそう云う風にぐずついている間に
こんな事を云われて、腕を取られた見物人は、にやにやと怯えたような薄笑いをして、臀込しりごみをしてしまう。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)