膝行いざっ)” の例文
どこまでも冷淡にはできない感情に負けて、歎息たんそくらしながら座敷の端のほうへ膝行いざってくる御息所の様子にはえんな品のよさがあった。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
こう切に仰せられるので、尚侍はひどく歎息たんそくをしながら膝行いざって出た。だからこの人は軽率なのであると、満足を感じながらも院は批評をしておいでになった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)