脈搏みゃくう)” の例文
初めて触れる二人の体は、眼にこそ見えね熱い血潮に脈搏みゃくうっていた。——夜風に流れて螢火がひとつ、軒をかすめてついと飛んだ。
松林蝙也 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それまで、貧しくも、伊勢平氏の父と、清らな母の血とをもって、自分のなかに脈搏みゃくうっていると信じていたものが、急に、どろどろな宿命の物質みたいに思われてきたのである。
しかもその躯はいま、内部から新しい彼女をつくり出しつつある。私の眼に映った美しい部分には、成長するいのちというものが脈搏みゃくうっているように感じられた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
私の眼に映った美しい部分には、成長するいのちというものが脈搏みゃくうっているように感じられた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
血色もよく、眼つきにもえた力がこもっていた。あの頃の卑しく汚れた感じや、不健康な疲れはきれいに無くなって、彼本来の、賢い聡明な性格が、活き活きと脈搏みゃくうっているようにみえた。
竹柏記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)