“胖大漢”の読み方と例文
読み方割合
はんだいかん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明治の初年に今戸橋の傍に湊屋みなとやという芸者屋があった。主人は河野と云って背の低い胖大漢はんだいかんであった。その妻は吉原の引手茶屋湊屋の女みなというもので、常にみいちゃんと呼ばれていた。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
初め枳園と富穀とは何事をか論じていたが、万事を茶にして世を渡る枳園が、どうしたわけか大いにいかって、七代目もどきのたんかを切り、胖大漢はんだいかんの富穀をして色を失って席をのがれしめたそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
草画ではあるが、円顔の胖大漢はんだいかんだと云うことだけは看取せられる。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)