肩掛ショール)” の例文
マダーム・ドファルジュは寒がりだったので、毛皮にくるまって、その上、首の周りには派手な肩掛ショールをぐるぐる巻きつけていた。
そう言いながら、彼はそこから肩掛ショールだの、ハンカチだのを、まるで自分の旅行鞄トランクからでも取り出すように無頓着に曳っぱり出したものである。
思い入りてながむれば、白き肩掛ショールをまとえる姿の、今しも月光のうちより歩みで来たらん心地ここちすなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
肩掛ショールだの、いろんな*11ロブロンだのという、碌でもないものを買ってやるためで! それも何がためといえば、シドローヴナとか何とかいうどこかの阿婆ずれ女に
されど解きてもけ難き一塊の恨みは深く深く胸底に残りて、彼が夜々ハンモックの上に、北洋艦隊の殲滅せんめつとわが討死うちじにの夢に伴なうものは、雪白せっぱく肩掛ショールをまとえる病めるある人の面影おもかげなりき。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)