聖天下しょうでんした)” の例文
そのとき、ふいと、気が狂ったように、炭屋の二階からとび出して、聖天下しょうでんしたの境内で、縄飛びをしている子供たちの群れへ交じって
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうなると、次郎吉を調べるのほかは無いので、庄太に案内させて聖天下しょうでんしたへ出かけて行く途中、二十七八の垢抜けのした女に逢いました。
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
二月二十一日の夜の五ツ半(午後九時)頃に、遠州屋の主人才兵衛は浅草の聖天下しょうでんしたで何者にか殺害された。短刀か匕首あいくちで脇腹を刺されたのである。
半七捕物帳:61 吉良の脇指 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
聖天下しょうでんした裏店うらだなにもぐり込んで、風車かざぐるまや蝶々売りをやっているそうです。
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「まったくお察し申します。そこで、わたしの調べたところじゃあ、お福のせんの亭主は次郎吉という男で、今は浅草の聖天下しょうでんしたにくすぶっているのだが、お福は時々そこへたずねて行くようなことはありませんかえ」
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)