老憊ろうはい)” の例文
老憊ろうはいの肉体を抱き、見果てぬ夢を追い、荒涼の磯をさまようもの、白髪の浦島太郎は、やはりこの世にうようよ居る。
懶惰の歌留多 (新字新仮名) / 太宰治(著)
老憊ろうはいの一生活人へ、まこと敬虔けいけんの心でお礼を申し述べ、教えられたとおりの路をあやまたずに三曲りして、四曲りした角に、なんなく深田久弥のつつましき門札を見つけた。
狂言の神 (新字新仮名) / 太宰治(著)