羽箒はばうき)” の例文
主人はそれには何も答へないで、静かに羽箒はばうきを取つてそこらに飛び散つた挽茶ひきちやの細かい粉を払つてゐました。
利休と遠州 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
あたしは熱がりながら十一二で、おとなしくして、羽箒はばうきをもつて、どんなにしたら具合よくゆくかと、細かく神經しんけいをつかつて祖母の背中にむかつてゐた自分の姿を思ひ出してゐた。
お灸 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)