納棺のうかん)” の例文
永眠の間の畳をあげ、床板のうえに真あたらしいたらいを置いて、萩乃やお蓮さまや、代稽古峰丹波の手で、老先生の遺骸に湯灌を使わせて納棺のうかんしてある。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
僕は納棺のうかんを終った後にも時々泣かずにはいられなかった。すると「王子の叔母さん」と云う或遠縁のお婆さんが一人「ほんとうに御感心でございますね」と言った。
点鬼簿 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
やがて納棺のうかんして、葬式が始まった。調子はずれの讃美歌さんびかがあって、牧師ぼくし祈祷きとう説教せっきょうがあった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)