籠目かごめ)” の例文
しかるに、籠目かごめ麻葉あさのはうろこなどの模様は、三角形によって成立するために「いき」からは遠ざかって行く。なお一般に複雑な模様は「いき」でない。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
「頬っぺたに籠目かごめのようなものがついている。だいこんのことだから、そのへんの野菜籠の中にでもいたんだな」
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
と、わずかに、銀の籠目かごめ火屋ほやを掛けた手炉の端をそっとわかつぐらいなものだった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
矢ジリのさき籠目かごめとした火舎ほやの中に、油脂ゆしをつめた物である。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)