管絃楽かんげんがく)” の例文
旧字:管絃樂
甘くてつやっぽい肉声が、管絃楽かんげんがくの伴奏とのつかず離れぬ交錯こうさくに、あるいは高く、或いは低く、或る時は怒濤どとうと砕け、或る時はいささ川とささやき、曲節の妙を尽して数千の観客を魅了していたとき
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
暇さえあれば岸本は自分の下宿を出て、戦時の催しらしい管絃楽かんげんがくの合奏をくためにソルボンヌの大講堂に上り、巴里の最も好い宗教楽があると言われるソルボンヌの古い礼拝らいはい堂へも行って腰掛けた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)