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笧
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しがらみ
ふりがな文庫
“
笧
(
しがらみ
)” の例文
六つの年から母の手ひとつで育てあげられた、その恩義というのを母自身の口から喧ましくきかされてきたお初にとっては何かにつけてこの恩義が
笧
(
しがらみ
)
になっている。
神楽坂
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
今まで
猫楊
(
ねこやなぎ
)
の枝の
笧
(
しがらみ
)
にからんで居た木の葉やら、紙片やら、
藁
(
わら
)
くづやら、女の髪の毛やらの流れて行く間に
雑
(
まじ
)
つて、其処から五六間の川下を浮きつ沈みつして流れて行く長いものが
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
渠
(
みぞ
)
の土手にある
猫楊
(
ねこやなぎ
)
から
剪
(
き
)
り落したその太い枝が、今でも、その渠のなかに流れ去らずに沈んで居て、それが
笧
(
しがらみ
)
のやうに、水上からの木の葉やら新聞のきれのやうなものなどを
堰
(
せ
)
きとめて
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
笧
部首:⽵
11画