笑而不答わらってこたえず)” の例文
これをもって見れば、いよいよ海北友松の——笑而不答わらってこたえず——の態度には、その陰にひとつの事実があったことは確からしい。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵は黙って、三名のこわばっている体つきにまなこを遊ばせていた。「笑而不答わらってこたえず」で済ましているのであった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
笑而不答わらってこたえず——小次郎は、後ずさる浜田某をぐいぐい追いつめて夏草をめぐっていたが、ふと、棒縛りの目に遭っていた西瓜売りが、その姿を見るなり、さもさもびっくりしたように
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
笑而不答わらってこたえず——としていたことはもちろんであったが、ただいかに彼でも、信長が自分を誤解ごかいして一たんの嚇怒かくどに何らの反省も加えず、秀吉に使者を立て、また竹中半兵衛に命じて
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
笑而不答わらってこたえず——孔明はにやにやしていたきりであった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
笑而不答わらってこたえず
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)